お正月を挟んだ体重変化の実例


年末年始というダイエット中の皆さんにはとってもつらい時期が過ぎ去りました。この時期を無事に乗り切った皆さんの経過をご紹介しましょう。年明け後の外来までのデータをグラフにしました。

1007番 -5kg(開始時60.5kg)
1011番 -5.4kg(開始時63.5kg)
1014番 -4.6kg(開始時82.4kg)
1016番 -9.5kg(開始時64.7kg)
1018番 -8.9kg(開始時109kg)

年末年始は忘年会やお正月の行事など、みなで集まって飲食する機会も多く、なかなか思うようには食事コントロールができないものです。この時期に体重が増えてしまうのも仕方がないと思います。左のグラフの皆さんはそんな逆境にもめげず、順調に体重が減っており、驚くばかりです。

年末年始に体重が減った人が33%、変化しなかった人が43%、増えた人が24%でした。これならいい成績ではないでしょうか?(2009.1.26)
上のグラフは11月からダイエットをお始めになった50代女性の記録です。ご自宅で毎朝起床直後に計測したデータです。外来のときにお持ちいただいたのをコピーさせていただきました。グラフ下の横棒1本が1週間です。

この女性は身長145cm、開始時の体重が50.5kg、BMI24.0と体型は標準範囲内でした。半年後に予定されている同窓会でチャイナドレスを着るという目標にむけてダイエットをお始めになったそうです。3ヶ月たった時点での体重は45.4kg、BMI21.6とそろそろ標準を通りこして痩せぎみの領域に入ろうとしています。10%以上の減量です。目標体重は44kgだそうで、このペースならあと1ヶ月ほどで達成できそうです。

炭水化物だけを制限するダイエット法は、食事のバランスに優れ、空腹感を我慢する必要もなく、多くの方に実行可能な安全な食事ダイエットです。この例のように、必ずしも肥満でなくても体重を減らすことが可能です。(2009.4.1)
上のCT画像は4ヶ月間で11kgの体重減量に成功した55歳女性の内臓脂肪の変化を示したものです。
ダイエット開始時は65kgで内臓脂肪は146cm2とメタボリックシンドロームの基準である100cm2を大きく上回っていました。4ヵ月後の体重は54kgで11kgの減量、約17%減っています。もっとすごいのは脂肪が減ったことです。内臓脂肪は半分以下の67cm2になりました。落ちにくいといわれている皮下脂肪も、臍周囲の厚みが2/3に減っていました。左右の画像を見比べていただくと全体の大きさもとっても小さくなっています。つまりウエストも細くなったということです。中央の白い部分は背骨ですが、左右で同じ大きさです。すなわち写真の縮尺は同じで偽りなしということです。この画像はご本人のご了解を得て掲載しています。(2009.8.6)
第1期生は6週間、第2期生は4週間、第3期生は2週間が経過しました。データの揃った4週間分をグラフにしました。

体が軽くなった、前かがみの家事が苦にならないといったご感想が印象的でした。食事療法への取り組み方は、皆さんそれぞれですが、無理しない範囲でマイペースでやっていくのが理想です。ダイエットとはこれから一生のお付き合いですから、焦ったり慌てる必要はありません。

総じていえることは、2週間くらいきちんと食事療法を守ると、食事内容(食事量は関係ありません)と体重変化の関係を自分で実感でき、自分でコントロールするコツをつかめるようになるということです。実際に体重も下がってきますので、体重計に乗るのが楽しくなります。外来診察時にご自身の体重記録をうれしそうにお見せくださる様子を拝見すると、私達もとてもうれしくなりますね。(2008.12.18)
この外来での目標は3ヶ月間で5%〜10%減量することです。約2年間に受診された300名近くのうち、2か月以上通院できた人を対象に調べたところ、80%の人が5%以上減量できていました。10%以上減量できた人も35%と、期待通りのいい成績でした。この結果は2010年10月1日に群馬県で開かれた第31回日本肥満学会で発表しました。(2010/10/20)
初診時に糖尿病の指標であるHbA1cが6以上の異常値だった人が18名いました。このなかには、すでに他院で糖尿病の治療を受けている人もいます。この18名の最初の数カ月の検査値の変化は上のグラフの通りで、17名で改善が見られました。残りの1名は翌月に改善が見られたため、喜んでしまって食事制限を守れなくなってしまったそうです。このように、炭水化物制限は糖尿病の治療法としても有力な方法と言えます。この結果は2010年10月1日に群馬県で開かれた第31回日本肥満学会で発表しました。(2010/10/20)