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薬剤部 薬剤部業務内容

薬剤部

薬剤部業務内容

1.ロボット化が進んだ調剤業務

厚生労働省の指針に従い近隣の調剤薬局と連携して、平日平均400枚(全外来処方箋の約70%)について院外処方を発行しており、調剤業務の中心は、入院患者の内服、外用、注射などの調剤となっています。また、新築移転と同時に大幅なオートメーション化を実施し、大型自動錠剤分包機2台、散剤自動調剤ロボット、内服水剤自動分注ロボット、ピッキング自動監査システム、自動返却管理システム連動アンプルピッカーなどの最新システムを導入しました。また併せて、調剤業務や医薬品管理業務を、事務担当を含む7名の調剤助手にタスクシフトすることで、薬剤師は効率的に病棟活動へ業務をシフトさせることが出来るようになりました。

医薬品の払い出しは、通常は病棟払出室を利用しますが、薬剤部専用エレベーターを使用した注射カートの配送、リフトやエアシューターを使用した緊急払い出しにも対応しています。

2. 沢山の症例を経験する無菌調剤業務

抗がん剤、免疫調整薬は、全ての症例について、3階の化学療法センターの中にある混注室で、薬剤師1~2名が平日、日祝日を問わずミキシングを行っています。

混注室には、屋外排気型の大型安全キャビネット2台を備え、最大で4名体制でのミキシング業務が可能です。なお、薬剤師1名で混注業務を行う場合には他の場所で業務を行っている薬剤師が遠隔で監査を行えるように、タブレットを用いた動画通信システムを導入しています。

症例は多岐にわたりますが、とくに大腸がん、乳がん、前立腺がん、血液がんなどが多く、また、外来化学療法が全症例の半数以上を占めます。外来化学療法患者に対しては、担当薬剤師が混注スタッフと連携して、化学療法センター内で服薬指導業務を行い、入院化学療法患者に対しては、病棟担当薬剤師がベッドサイドで服薬指導を行います。

また、1階の無菌調剤室には、大型クリーンベンチ1台と、安全キャビネット1台を備え、最大で3名体制で高カロリー輸液などのミキシング業務が可能です。ここでは、無菌的に調製する必要がある点眼薬や注射薬などの院内製剤も行っています。さらに、緊急時には無菌調剤室内の安全キャビネットを使用して、抗がん剤などのミキシング業務を行うことも可能です。

3. 薬剤師が全患者に介入する病棟薬剤業務

病棟服薬指導業務、病棟常駐業務は、全診療科、全症例を対象にしています。病棟毎に複数の担当薬剤師がチームを編成し、全ての入院患者に対して直接的指導を行うだけでなく、間接的なカルテ介入も含めて、入院当初から退院まで継続してアプローチできる体制を作っています。とくに当院のICUでは、専任の薬剤師5名が専門の知識と経験を活かして交代で病棟業務を行っています。

主な内容としては、入院時初回面談、定期服薬指導、退院時指導など保険算定の対象となる指導業務の他、血中濃度モニタリング、副作用の確認、薬効評価、内服自己管理移行時の患者教育、インスリン自己注射や吸入薬導入時などの患者教育、がん化学療法開始時やレジュメン変更時の服薬指導、疼痛緩和のフォローなど、個々の患者様の薬物療法管理のニーズに応えるよう、幅広い業務を他職種と連携して行っています。

なかでも当院では、入退院サポートセンターの担当薬剤師3名を、すぐ向かいのDI室(医薬情報室)に配置し、入院受付時に直接介入する体制をとっていることが大きな特徴です。早期介入により、患者様自身だけでなく家族からも入院前の服薬状況や理解度、副作用の有無などを確認し、入院時からの持参薬服用継続の可否を薬剤師が判断して主治医に情報提供し、さらに、PBPMに基づいた処方提案も積極的に行っています。

また、ICUは毎日、泌尿器科病棟は毎週火曜日、医師、看護師、リハビリスタッフ、臨床工学技士などと合同で回診を行っています。その中で、薬剤師側からは、薬物療法の変更や追加などの提案、副作用を疑う症状の報告、退院に向けての患者教育の提案、治療方針の確認など、医師側からは、薬効や副作用、薬剤選択に関する質問が、頻繁に投げかけられます。

4. 麻薬混注からDIまで幅広い管理を行う手術室常駐業務

麻酔科医師、手術室看護師と協力し、平日7時30分~16時まで専任の薬剤師1~2名が手術室に常駐し、当日に手術室で使用する麻薬、向精神薬、筋弛緩薬、血液製剤などの処方管理、医薬品の準備、手術の進行に応じて麻酔用麻薬や筋弛緩薬などのミキシングやプライミング、術後疼痛管理用麻薬(PCAポンプ)のミキシングとセッティングなどの作業を行います。また、手術室内の医師や看護師からの医薬品情報提供の依頼、ICU常駐薬剤師に対して手術中の患者の状態や使用医薬品に関する情報の伝達などの対応も行います。さらに、術前外来担当医師や病棟薬剤師と連携し、手術前中止薬の患者への説明や管理も行います。

薬剤師の常駐スペースには、電子カルテ、通信システム、ミキシングスペース、医薬品保管庫、麻薬金庫などがあり、インカム(無線通信機)のヘッドセットを常に携帯し、各手術室の医師や看護師と連絡を取りながら作業を進めることが出来ます。また、薬剤師が常駐しない時間帯や日祝日も、調剤室の薬剤師が協力して、麻薬のミキシングやプライミングなどの作業を対応します。

5. 患者の服薬指導から処方支援まで、幅広く医師業務をサポートする全国でも数少ない透析室常駐業務

腎薬物療法認定薬剤師や糖尿病認定薬剤師を中心に、人工透析科医師、看護師、臨床工学技士と協力し、専任の薬剤師1~2名が透析センターに常駐し、検査データに応じて対応が必要な透析患者の薬物療法の管理、複雑で種類の多い透析処方の服薬指導、回診とカンファレンスによる薬物療法の方針決定、医師に替わって処方支援を行うなど、まだ全国的には普及していない透析室での薬物療法管理業務を、薬剤師が中心となって行っています。

  • <透析センターでは、毎日、医師、看護師、薬剤師が、一緒に回診をしています>

    透析センターでは、毎日、医師、看護師、薬剤師が、一緒に回診をしています

6. ドラマ「アンサングシンデレラ」でも話題になった、救急(ER)外来常駐業務

救急外来のスタッフと協力し、平日8時~16時半まで、専任の薬剤師1名が救急外来に常駐し、救急担当医師、看護師、救急救命士と協力して、救急搬送されてきた患者の対応を行います。現在、救急認定薬剤師を中心に4名の薬剤師でチームを組んでいます。

救急外来では、常に迅速で効率的な判断と行動が求められ、救急外常駐薬剤師は、医薬品の服用歴を持参薬鑑別や患者自身または家族からの聞き取りなどで把握し、患者の症状の中で服用薬が影響しているものが有るかどうか、救急外来での処置に影響を与える服用薬が有るかどうかなどを判断し、医師に正確に情報を伝える重要な役割を担っています。 

また、急性薬物中毒症例では、解毒剤の選定や中毒症状の対処のアドバイスなどを行ったり、治療のサポートを行ったりします。そのほか、救急救命処置のサポート、処方支援、検査指示の代行、グラム染色による感染原因菌の推測、TDM、救急医薬品の管理など、今までの薬剤師業務の概念を超えて、新しい薬剤師の職能拡大につながる幅広い業務を行っています。

7. きめ細やかながん化学療法の管理を行う、がん化学療法センター常駐薬剤師

がん化学療法センターには、常時2名(水・土は1名)の薬剤師が常駐し、ミキシングスタッフ2名とは別に、外来化学療法患者の薬物療法の管理を行っています。

当日の検査データの確認、来院時の患者の状態把握、がん化学療法の説明、副作用の確認と対応、処方支援など、いままで医師が主に行っていた業務を、専門の知識をもった薬剤師がタスクシフトする形で対応しています。レジュメン管理、患者説明資料の作成、キャンサーボードなども担当しています。また、IBDやリウマチなどの免疫調整薬を使用する患者への服薬指導や薬物療法管理も担当しています。 

8. 徳洲会のネットワークを活かした医薬品情報管理業務

医薬品情報管理業務は、薬剤部の根幹を担う重要な業務です。毎日のように発生する新しい医薬品情報、院内での医薬品の問い合わせに対する回答などを整理して、薬剤部のデータベースに整理すると共に、病院の全スタッフが簡便に医薬品名や事象から検索が出来るQ&A集を月1回発行して電子カルテ上に掲載しています。

とくに、自病院内で解決しない医薬品情報の問い合わせがあれば、徳洲会のネットワークを利用して全国に質問を投げれば、その分野を専門にする薬剤師や貴重な経験をもつ薬剤師が、必ず解決の糸口を見つけてくれます。

その他にも、電子カルテの医薬品に関するマスターや運用を管理し、常に最新の採用医薬品集を提供して、安全で快適なオーダーシステムや閲覧システムの構築に協力しています。

9. 薬局助手が活躍する医薬品在庫管理業務