臨床研究
病院を受診された患者さまへ
「抗菌薬併用による抗凝固薬作用増強の薬物相互作用に関する研究」
当院では機関長の許可を得て、下記の臨床研究を実施しております。
本研究の対象者に該当する可能性のある方で、診療情報等を研究目的に利用または提供されることを希望されない場合は、下記の問い合わせ先にお問い合わせください。
- 研究課題名(研究番号)
- 抗菌薬併用による抗凝固薬作用増強の薬物相互作用に関する研究
- 当院の研究責任者(所属)
- 中部徳州会病院 薬剤部 薬剤師 阿部 多喜浩
- 他の研究機関および各機関の研究代表者
- 琉球大学病院薬剤部 中村 克徳
- 本研究の目的
- セフェム系と呼ばれる抗菌薬の一部には、血液を固まり難くする作用(抗凝固作用)が知られています。一方で、脳梗塞や心筋梗塞といった病気の治療には、抗凝固薬であるワルファリンが使用されます。これらの抗菌薬とワルファリンは時として同時に使用されることがあります。その際、抗菌薬とワルファリン併用により、抗凝固作用が増強される薬物相互作用が引き起こされる可能性があります。この研究では過去のカルテ情報から患者様の薬の使用歴と抗凝固作用マーカーとを分析することで、セフェム系抗菌薬とワルファリンの適切な投与方法について明らかにすることを目的としています。
- 研究実施期間
- 研究機関の長の許可後2025年12月31日までの期間研究を行います。
- 調査データ(該当期間)
- 2012年1月1日〜2022年12月31日の期間の情報
- 研究の方法(利用する試料・情報等)
- ●対象となる患者さま
ワルファリン、セフェム系抗菌薬投与群:
病院で初めてワルファリンまたは対象セフェム系抗菌薬、または両方を投与された患者。
対照群:2012年1月1日〜2022年11月30日の間に琉球大学病院でセフェム系以外の抗菌薬を投与された患者。 - ●利用する試料・情報
- ワルファリン及びセフェム系抗菌薬((セファゾリン、セフメタゾール、セフォチアム、フロモキセフ(フルマリン)、セフォペラゾン(セフォペラジン)、スルバクタム/セフォペラゾン (スルペラゾン、 ワイスタ―ル)、セフォタックス、セフタジジム、セフトリアキソン、セフェピム、セフォゾプラン、タゾバクタム/セフトロザン(ザバクサ))の投与量・投与期間・適応疾患
- 年齢、性別、身長、体重、体表面積、BMI、血圧などの臨床所見
- 白血球、赤血球、リンパ球、血小板、ヘモグロビン、フェリチン、LDH、CRP、γ-GTP、AST、ALT、ALP、血清アルブミン、血清蛋白質、LDL、HDL、総コレステロール、TG、血清クレアチニン、eGFR、クレアチニンクリアランス、BUN、APTT、PT、PT-INR、抗Xa活性、トロンビン活性、Dダイマー、FDP等の臨床検査値
- ワルファリンおよび抗菌薬の副作用として報告されている所見、検査値
- 入院期間
- 併用薬
- 食事内容及び摂取量等の栄養関連項目
- 併発・既往疾患および経過などの病歴
- 試料/情報の他の研究機関への提供および提供方法
- 琉球大学病院と中部徳州会病院でのデータは暗号化し、メール添付で送付し、復号用パスワードは別経路で通知する。他機関での対応表の管理および対応表は機関間での授受は行わない。
- 試料・情報の二次利用
- 本研究で取得した試料・情報の利用は、本研究のみに限り、二次利用は行いません。
- 個人情報の取り扱い
- 本研究は琉球大学病院と中部徳州会病院の診療録を用いたレトロスペクティブ研究であり,カルテ上の情報を調査するものです。個人情報は匿名化を行い取り扱います。調査により得られた情報を扱う際は,パスワードロック可能なPCで琉球大学病院薬剤部および中部徳州会病院の記憶装置にて適切にで管理します。論文作成時,また学会発表時においても個人が特定できる情報は一切用いません。
- 本研究の資金源(利益相反)
- 本研究は琉球大学利益相反審議部会(多機関共同研究の場合には、各研究機関)の利益相反手続きに従い、必要事項を申告し、その審議と承認を得るものとします。
- お問い合わせ先
- 電話:098-932-1110
担当者:中部徳州会病院 薬剤部 薬剤師 阿部 多喜浩
2025年2月9日(第1.0版)